
薬局の不動在庫は返品できる?卸の返品条件と対処法|イヤクル
2026年10月28日 15:56
処方変更や患者さんの転院で動かなくなった医薬品を、卸へ返品できるか迷うことはありませんか。不動在庫になったことだけで返品が認められるわけではなく、未開封でも確認が必要です。返品の相談前に整理する情報と、返品できなかった在庫への対応をまとめます。
不動在庫の返品は理由と取引条件を確認する
厚生労働省が2026年3月4日に改訂した流通改善ガイドラインでは、在庫調整を目的とする返品などについて、卸売業者と保険薬局等の双方が慎むよう求めています。ほかにも、期限切れ、開封済み、汚損・破損、厳格な温度管理が必要な医薬品や、契約上返品できない品目などが挙げられています。
この記載を「医薬品の返品はすべて禁止」と捉えるのは適切ではありません。一方、「未開封で期限が残っていれば返品できる」ともいえません。まず返品を希望する理由と商品の状態、契約・返品条件を整理し、仕入先の卸に確認しましょう。回収の案内を受けた医薬品は通常の不動在庫とは分け、メーカーや卸の指示に沿って対応します。[1]
卸へ相談する前に揃えたい5つの情報
品名と数量だけでは、卸側も判断に必要な情報を確認し直すことになります。次の項目を一覧にしておくと、相談とその後の管理を進めやすくなります。
商品情報:医薬品名、規格、包装単位、数量、製造番号(LOT)
納品情報:仕入先、納品日、納品書番号、仕入れ数量
現在の状態:使用期限、開封の有無、外箱や包装の傷み、保管状況
返品を希望する理由:処方変更による余剰、発注内容と納品内容の相違など
確認済みの取引条件:返品対象品、申請期限、必要書類、費用負担の扱い
「自薬局の発注間違い」と「注文と異なる品が届いた場合」など、原因を曖昧にしないことも大切です。返品できると決めつけず、事実を伝えます。
相談後は、回答日・担当者・可否・返送方法を記録します。受け付けてもらえる場合も、返送前に手順を確認してください。不可となった品目は理由と次の対応を記し、相談中のまま放置しない運用にします。
返品できない不動在庫への対処法
まず自薬局での使用見込みを確認する
最終払出日、直近の処方実績、在庫数量、使用期限を照らし合わせます。「また処方が来るかもしれない」という見込みだけで保管を続けず、いつまでに使える可能性があるのかを検討しましょう。在庫消化のために患者さんの治療や調剤を変えるのではなく、実際の処方に対応できる在庫量を判断します。
系列店舗や他の薬局での活用を検討する
自薬局での使用が見込めなければ、系列店舗などに需要があるかを確認します。薬局間での活用を検討する際も、品質・保管状況、数量、LOT、使用期限、必要な記録や配送条件の確認が欠かせません。単に在庫を移すのではなく、受け取る側が期限内に使用できる見込みを確かめます。
活用が難しい品目は廃棄対応へ切り替える
期限切れや品質に疑いがある医薬品を、損失を避けるために流通させてはいけません。通常の使用可能な在庫と区別し、品目に応じた手順を確認して処理します。廃棄が必要と判断した場合は、数量・金額・発生理由も記録すると、次の発注改善につなげられます。
イヤクルで薬局間の活用を検討する場合
知り合いの薬局だけでは引き取り先が見つからないときは、調剤薬局向けの不動在庫医薬品マッチングサービス「イヤクル:医薬品ロスをクルっとなくす」も選択肢になります。利用には薬局開設許可証などの登録・確認が必要です。[2]
返品不可の医薬品がすべて出品できるわけではない
イヤクルの出品対象は、残りの使用期限が1か月以上あり、LOTと使用期限を確認できる医薬品です。錠剤・カプセルはPTPシートの形状を保っていることなどが条件になります。期限に余裕があるうちに対象かどうかを確認しましょう。[3]
患者さんへ交付済みの薬、一包化した薬、PTPシートから取り出した薬は出品できません。未開封品が原則で、開封済みの場合は購入薬局の確認・合意と品質確認が必要です。温度管理品は保管だけでなく配送中の品質確保も確認します。麻薬・覚醒剤原料など対象外の品目もあり、規制品は個別の取扱条件を確認してください。[3]
返品できなかった理由が、包装や保管状態への懸念である場合には、その問題が解消されないまま出品に進まないことが大切です。判断に迷う品目は、出品前にイヤクルへ確認しましょう。
価格だけでなく費用と作業負担も確認する
登録料・月額利用料・年会費・出品費用は無料です。売買が成立した場合、出品薬局には薬価の10%の手数料がかかります。販売価格の10%ではない点に注意してください。月次の売上振込時には100円の振込手数料がかかり、GMOあおぞらネット銀行宛は無料です。[2]
配送方法と送料は出品薬局が設定します。送料をどちらが負担するかも取引条件として確認し、手数料などを引いた受取見込額と、梱包・発送にかかる手間を含めて判断しましょう。[2][5]
出品時はGS1コードを読み取り、数量・割引率・使用期限などを入力します。LOTや期限が異なるものは分けて出品してください。[4][5] 在庫一覧から候補を絞り、最新の出品条件を確認するところから始めると、業務に組み込みやすくなります。
返品の相談と次の対応に期限を設ける
不動在庫は、返品できるかの確認だけで終わらせず、「自薬局で使用」「他薬局での活用」「廃棄」のどれに進めるかまで決めておきます。例えば月1回、最終払出日と使用期限を確認し、担当者と対応予定日を記録する方法があります。
返品を前提に仕入れるのではなく、動かなくなった理由を発注量や採用品目の見直しに反映することが大切です。返品できない場合も期限に余裕を持って動き、活用できる医薬品を必要な薬局につなぐ方法を検討しましょう。
薬局間での活用を検討する方は、イヤクルの出品条件と利用方法を確認し、手元の在庫が対象になるかを確かめてみてください。[3][4]